「ベタベタさせることは、子どもの自立をはばむ」と考えていませんか?

●アタッチメント(愛着)は大切です!

 小さな子どもがおとなの周りをうろうろしたり、ベタベタしてくることは、「子どもの自立をはばむ」とか「大きくなっても甘えん坊の子どもになる」といわれることがあります。ですがこれは、子どもにとってとても大切な行動なのです。

 専門用語ではそれを「アタッチメント」といいます。
 心理学者のBowlbyが1969年にまとめた概念で、ネガティヴな情動状態を、他の個体とくっつくことによって低減・調節しようとする行動制御システム(数井ら,2005)であるといわれています。
 簡単にいえば、生まれたばかりの子どもにとって、世の中はストレスと危険に満ちています。
 そこで、頼れる存在などによりかかったり、そばにいることで安心感を得ようとする働きです。
 小さな子どもがだれにでもだっこされると喜んだり、なかなか養育者のそばを離れようとしないのがそれにあたります。
 乳幼児期に不快・不安等の初期の要求を満たされる中で獲得するものであり、私たちが健全に発育するためには欠かせないものです。それが満たされることにより、例えば次のような結果を得ることができます。

●愛着が形成されることで得られる発育

 ・自己肯定感、希望
 ・他者(社会)への肯定的信念・希望・信頼・親密さ
 ・共感、思いやり、愛情、良心
 ・新たな行動や学習への好奇心・意欲
 ・感情(衝動)調整力、感情の分化
 ・向社会的対処技術(安全、適切な表現方法)
 ・ストレスの多い、不幸な出来事への耐性・弾力性
 ・他者との継続的関係
 ・自律と自立

 「自律と自立」などは、むしろ逆のような発育にみえるかもしれません。
 ですが、安心感を得ることで愛着のシステムは落ち着き、その間、子どもは自由な行動をすることができるのです。

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