虐待の連鎖と再現化・共感疲労について

 虐待の要因の一つに世代間連鎖があります。また、虐待のケアに関わる支援者との間にも、再現化や共感者が疲弊してしまうなどの問題が発生することもあります。

●虐待の連鎖が起きる要因

@親が育てられた方法・表現で育てる。
 ・当時の親への心情を無意識に思い出し、かつて親のその親(祖父母)への感情(愛情or悲・怒・恐怖)を子どもに向ける。 (転移)

A 「子どもが可愛く思えない。」
 ・長い関係で徐々に愛情がわくこともある。「きょうだいの内、この子だけ何をやってもイライラする。」:集団内での自己防衛(嫌いな人探し:自分の嫌なところや自分のなりたいものをもつ対象)

B「子どものためは親のため」(投影)
 ・親に似た点、親と同じ欠点をもつ子どもに自分の子ども時代の劣等感や超えられなかった苦難を重ね合わせ、子どもに親の代わりに欠点を克服させる過剰な期待、追込み
 ・私に似て優秀、良いと思っていることは、子どももできる・良いと思いこむ


●虐待の再現化(西澤哲1997)

 @関わる者(支援者)が心身にダメージを受ける
  関わる者が被虐待者に関わるとイライラさせられたり(怒りや暴力性を引き出される)、自尊心(無力感、屈辱感・)を傷つけられたり、恐怖体験をする
   ⇒被虐待者が受けた心身のダメージを関ろうとする者に疑似体験させる。

 A関わる者が無意識に加害者になり、被害者へのダメージを強化(繰返し体験させる)
   ⇒関わりをもたなくなる(遠ざけたり・無視)攻撃的態度を被害者にしてしまう。


●共感疲労(B.H.スタム)

 対人援助職に多くみられる症状。
 施設や学校等でトラブル及び問題行動が多く、言葉を介しての意思疎通が難しい子どもの発言や行為に振り回され、心に傷をもつ子どもの体験談を傾聴、共感する中で、知らず知らずのうちに支援者自身が傷つき、焦燥感・無気力・倦怠感・情緒不安定  (悲観的思考・自己否定・攻撃性増)・睡眠障害・疲れが抜けないなどの状態が続き、長期化し蓄積されるとバーンアウトにつながる。


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